非常に長いタイトルになりました。
B’zのヒットシングル「愛のままにわがままに 僕は君だけを傷つけない」を彷彿とさせますね。
すでに適切なやり方でウエイトトレーニングに取り組んでいる持久系競技のアスリートに、ウエイトトレーニングの必要性や適切なやり方を説明する意味
先日、GS Performanceのジム「THe Home」にお招きいただき、「持久系競技のためのウエイトトレーニングセミナー」というタイトルでお話をさせていただきました。
写真を投稿しましたhttps://t.co/wViqjLbfww
— GS Performance Yohei Kaga (@gs_performance)
セミナーにご参加いただいた皆様は、すでにウエイトトレーニングの重要性を認識され、GS Performanceに通って加賀さんの指導を受けられている持久系アスリートの方々でした。
したがって、私の話を聞いて初めてウエイトトレーニングの重要性に気づいてウエイトトレーニングを始める、ということもなく(すでに始めているので)、私の話を聞いてウエイトトレーニングのやり方を変える、ということもありません(すでに加賀さんが適切なやり方で指導されているので)。
つまり、私の話を聞く前と後で、とくに行動が変化することはない、ということです。
「だったら、河森の話を聞いても意味がなかった、ってことじゃないの?」と思われるかもしれませんが、私はそんなことはないと強く信じています。
たとえ行動が変わらなくても、「持久系競技のアスリートがウエイトトレーニングをやることにはメリットがあるんだ」「これまでのやり方で間違っていなかったんだ」と自信を持てるようになるだけでも、大きな違いに繋がるはずです。
まったく同じ内容のトレーニングをやっていても、「これをやれば私の競技力は必ず向上する!!」と心の底から信じて取り組む場合と、「このトレーニングをやっていて、本当に競技力向上に繋がるのだろうか?」という疑問を持ちながら取り組む場合とでは、トレーニング効果に雲泥の差がでるものです。
これは私の経験上、かなりの自信を持って「そうだ」と言える真理です。
科学的に証明はされていませんが。
セミナーでは理屈と科学的知見をセットにして主張を補強する
私のセミナーに参加してくださった方々が、私の話を聞いて、これまでのやり方に自信を持てるようになったとしたら、セミナー講師冥利に尽きるというものです。
もし、私がそんなポジティブな影響を与えることができたとすると、それはなぜでしょうか?
河森という偉大なS&Cコーチが「持久系競技のアスリートもウエイトトレーニングやったほうがいいよ」と言っていたから?
おそらく違うでしょう。
たしかに、セミナーにおいては「持久系競技のアスリートもウエイトトレーニングやったほうがいいよ」という主張はしましたが、「なぜやったほうがいいのか?」というWHYの部分について、科学的知見を紹介しながら明確に根拠を示して説明したからだと思います。
基本的に、私はセミナーにおいて何らかの主張をする場合には、なぜなのかという理屈(=WHY)をしっかりと説明したうえで、その理屈の信憑性を補強するために科学的知見を紹介するようにしています。
そのぶん、1つの主張をするために、それを裏付けるような科学的知見を探してたくさん論文を読まないといけないので、新しいテーマでセミナーを準備するのにめちゃくちゃ時間と労力がかかるのですが・・・。
しかし、セミナーにしろブログにしろ、私の主張を裏付ける根拠として科学的知見を背景にして発信しているからこそ信頼をしていただけている、私はそう理解して、その期待を裏切らないように時間と労力をかけることを厭わないようにしています。
科学的知見を仕入れても今までとトレーニングのやり方が変わらない場合もあるけど、これまでのやり方に自信を持てるようになるだけでも意味はある
セミナーにかぎらず、S&Cコーチとしてアスリートにより良いトレーニング指導を提供するために、科学的知見は常に取り入れるようにしています。
そして、論文を読んで新しい科学的知見を取り入れたとしても、これまでのやり方は変わらない、つまり行動に変化がないケースは多々あります。
むしろ、そっちのほうが多いくらいです。
それでも、今までよりも自信を持って指導をすることができるようになるだけでも、かなり違うと感じます。
自信がないと軸がブレちゃうこともあるんですよね。
で、軸がブレちゃって、適切なはずのやり方を徹底できずに、他のやり方に浮気したりしちゃうと、競技力向上という最終的な目標へ向かう最短のコースから外れちゃったりするんです。
それを防いで、より一直線に勝利へ向かうことができる確率を上げることができるだけでも、科学的知見を仕入れる価値はあると思います。
あと、アスリートから「なぜこのトレーニングやるんですか?」と質問されたときも、科学的知見を仕入れておけば、より自信をもって答えられるようになります。
自信なさそうに答えるよりも自信満々に答えたほうが、アスリートの信頼感も増すはずです。
そして、信頼感が増せば、「これをやれば私の競技力は必ず向上する!!」と心の底から信じて取り組んでくれるようになるので、まったく同じ内容のトレーニングをやっていたとしても、効果が出やすくなるはずです。
まとめ
せっかく苦労して論文を読んで「〇〇というトレーニングが効果が高い」という科学的知見を仕入れたとしても、もともと〇〇トレーニングをやっていた、なんてことはしょっちゅうあります。
「論文なんて読まなくてもそんなトレーニングは前からやっていたから、わざわざ苦労して論文を読んだ意味なかったな」と落ち込むことはありません。
これまでやっていた〇〇トレーニングの効果を支持する科学的知見がある、ということを知ることで、より自信を持って〇〇トレーニングをアスリートに提供できるようになるだけでも、苦労して論文を読む甲斐はあります。
論文を読んで科学的知見を仕入れるたびに、新しいトレーニングのやり方を知ることができたり、これまでのやり方を変えるような知識が得られたり、なんて非現実的な幻想は抱かないようにしましょう。
そういうこともありますが、非常に稀です。
ほとんどのケースにおいては、すでに自分がやっていることをより自信をもってやれるようになる根拠を得られるだけだ、そして、それでいいんだ、くらいの気持ちで論文を読んでみていただければ。
動画 論文の読み方 動画 科学的知見に基づくトレーニング指導
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【編集後記】
自宅兼ジムづくり。
今は住宅ローンの事前審査をしたり、土地を探したりしている初期段階です。
完成までに決めるべきこと・やるべきことがたくさんあり、かなり遠い道のりです。
先が見通せず不安ばかりですが、一歩ずつ進めていきます。